妻曰く

プロジェクトマネージャーの妻による育児対応を巡る夫の記録

育児プロジェクトは初動が肝心

息子の誕生とともにスタートした我が家の育児プロジェクト。妻のプロジェクト管理の力をまず実感させられたのがその立ち上げぶりだった。

いの一番に子育ての習熟度UP

妻曰く「プロジェクトは初動が大事」。プロジェクトで言うところの「計画フェーズ」というものに力を割くべきだというのだ。

妻がいの一番に優先したのは「子育ての習熟度を高めるのに力を割けるようにする」ことだ。そのために計画的に妻自身の「衣食住のスコープ」を絞り込んだ。「スコープ」という言葉は聞き慣れなかったが、いわゆる実行範囲のこと。何を着るか、何を食べるかなど自分の身の回りのことはあらかじめ極力考えなくてすむようにミニマムに固めておき、そこにリソースを割かなくてもいいようにする。そうすれば子育てのスキル向上と、実際に実務にあたった上で短期、中長期の目標を定めることに力を注げるという発想だった。

衣食住の「スコープ」絞り込み

f:id:tnkdad:20190407205925j:plain

スコープの絞り込みとは具体的にどんなものだったか。例えば食事。自宅での食事を毎食自分で考えて調理していたらエネルギーを割かれる。「栄養的に充足すればよい」と割り切り、決められたパックのサラダとスープを定期購入し省力化した。

着るものもそうだ。もともと服選びが好きな妻だが、今日は何を着よう、新しく気にいる服を探して買おう、とかやっていると初動に失敗すると思ったらしい。最初にこれならいい!と思える授乳タンクトップを選んで数着買っておき、1ヶ月はそれで回すと決めた。妻曰く「スティーブ・ジョブズはいつも黒のタートルネックと決めていた」とのこと。

布団も機能性重視で防水シーツに揃えた。清潔に休めれば必要十分だから、一番手入れが簡単なもので回せばいいということだ。

「イライラしても被害受けるのは子ども」

ストイックだよなと思っていたら、妻曰く「とにかく我慢しなきゃということじゃない」。あとから「あれもできない」「これもできない」とか思わないために、最初に最低限譲れない満足水準でルールを作ればいいということなのだという。だから不満にならないために必要十分ではあるそうだ。妻曰く「不満抱えてイライラしても被害受けるのは子どもでしょ」と。子育てプロジェクトは人も交代しにくい。さきに習熟度をあげて土台作った方に資源を集中投入することで、あとで自分のことをできる余裕が作りやすいとも考えたのだという。

子どもの成長はあっという間だ。育児プロジェクトは課題の変化も激しく、いま起きている問題に次々対処しなくてはいけない。妻曰く「(計画とチェックが大事にする)PDCAサイクルと(その場で観察して判断することを重視する)OODAループのいいとこ取りをしよう」と作戦を考えたのだという。この具体的な意味や実践例はまたの機会に整理するとして、刻々と変化する子育ての課題解決のためにはとにかくエネルギーを割いて、最初にレベルをあげることが大事だという妻の判断は明確だった。

妻が必要なものを絞りこみ、それをはっきりさせたことで、夫としても何が必要かわかる。食事の準備や洗濯など本当にやりやすくなった。振り返ると我が家の育児プロジェクトは初動における妻の判断が役立っていると思う。