妻曰く

プロジェクトマネージャーの妻による育児対応を巡る夫の記録

生後2か月でひとり寝を始めた息子のルーチン

息子は生後2カ月になるかどうかの頃から一人で寝るようになった。決められた寝場所に移動し、部屋を暗くすると大抵は指をチュッチュと吸い始め、しばらくすると入眠する。

生活リズムの習慣化

我が家ではジーナ式のスケジュールをもとに、息子の生活リズムを習慣化した。

ジーナ式の本では

毎晩同じ時間に同じ流れで寝かせてください 

とある。加えて就寝前に赤ちゃんが興奮するようなことは避けるようにも指摘している。

我が家はベビーベッドを使わなかったので、静かに部屋に連れていき、最初のうちはベイビーボックスの箱で、途中からはベビーサークルの中に、スリーピングバッグに入れて、部屋の明かりを落として寝る流れにした。泣いて起きちゃう問題などもあったが少しずつ、寝る時間になると自分から指しゃぶりなど「寝る準備」をするようになった。

9ヶ月になる今ではお風呂に入った後は、親がモタモタしているとバタバタしながらねんねを訴え、寝室に連れて行くとにっこりして寝る。朝は自分で起きることも多いし、眠そうな様子のときも、部屋を明るくしてスリーピングパックから出し、リビングに連れて行くとお目覚めだ。もう朝ごはんの時間だとわかっているようだ。ルーチンができているのだ。息子はこのルーチンや体調が乱れなければ、基本的にいつも落ち着いて過ごせている。

逆にある日、寝る前に息子をギュって抱きしめてあたまをなでなでしたら、「それは違うっ!」と言わんばかりに手でバシッと払いのけてきた。おそらくなでなでは彼にとって入眠に向けたルーチンにないことで、余計なことだったのだろう。それをやめると、息子は落ち着いておやすみモードになった。

大人もスイッチとなる習慣は大事

「大人でもルーチンは大事なことだよ」と妻は話す。確かに入眠ひとつとってもそうだ。リラックスできる服に着替えて寝室にいくと眠くなったりする。いつもと違う枕や環境だと寝付きが悪くなるという話はよく聞くし、興奮したままの状態では入眠しにくくもある。

人間の特性、自分の特性にあわせた「スイッチ」となる習慣を知っておくことはパフォーマンスに直結する。妻は仕事でうまく行かないとき、同じ漫画を読むことで気持ちを入れ替えるのだそうだ(その漫画とは「弱虫ペダル」と「キングダム」、そして「ぶんぶくたぬきのティーパーティ」らしい…タヌキものが入っているのが嬉しい)。自分はどうだろう。イライラしたときはひとりきりになること、そしてお茶を入れることで少し冷静になれる。これらもルーチンと言える行動だろう。自分でコンディションを整えるのは社会で生きる上で大切だが、息子をみているとすでに入眠や起床、食事などにおいてそれぞれそのためのルーチンがあるようだ。

不確実性を減らせば課題に集中できる

プロジェクトを進めるという観点でも、妻は「ルーチン化できるところはなるべくルーチン化する意味がある」と考えているそうだ。プロジェクトは予測不能な要素が多いものだ。妻曰く「予測不能なことへの対応は緊張するし常に判断が求められる。労力もかかるしつらい。できるところから誰でもできるワークフローに落とし込み、少しでも不確実な部分を減らすのが大事」なのだそうだ。

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フォーマットを確立すれば、そこに関してはアウトプットが均質化できる。一定水準のクオリティで品質コントロールができれば、プロジェクトは見通しも立てやすくなるので、それを前提に進めることができるわけだ。ただし妻曰く「裏を返せば質が悪いルーチンだと、それを続けると質が悪い結果を再生産することにつながってしまう」。

育児は毎日刻々と変わる課題に対処していかなければいけない。我が家の育児プロジェクトも、息子の成長とともにはじめてのチャレンジの連続だ。そのような中でルーチンで生活スケジュールを整えている状態にあれば、それを基盤に課題に集中して向き合うことができる。

例えば離乳食の開始もそうだった。息子はミルクを飲むときに、同じ時間に毎回スタイをつけてチェアに座るようにしていた。離乳食を加えるときにも同じ時間に同じように座らせてあげた。つまりルーチンの基本形を変えずに離乳食だけ加えた形にしたわけだ。息子はすんなりと食べ始め、そのまま離乳食のルーチンとして確立した。

ジーナ式に合理性を感じた理由

状況は子どもの特性などにも左右されるので問題はそう単純ではないが、少なくとも最初に型ができていたので親として次の課題に的を絞って対応できたのは間違いない。もし決まった時間や食事の合図などもなく、ハンドリングしなければいけない要素がたくさんある状況だったら、課題の整理が大変だったと思う。ルーチンがあることで、息子の反応をみて親として何をしなければいけないかもつかみやすい。息子の状態の変化にも気付きやすくなる。「黄昏泣き」問題も、スケジュールが確立していたから、仮説をたて検証するプロセスが進めやすかったと言えそうだ。

ジーナ式をはじめ、決まりごとを習慣化してスケジュールを整えるやり方は一定の合理性があると、妻の説明を聞いて改めて考えさせられた。