妻曰く

プロジェクトマネージャーの妻による育児対応を巡る夫の記録

「黄昏泣き」を解決した妻のプロセス

ジーナ式育児の情報をネットで調べていると、うまくいかなくなったという話をちらほらみる。我が家も息子が生後2ヶ月になる頃毎晩20時頃(就寝1時間後)に決まってギャン泣きしながら起きてしまうようになった「この時間に起きる習慣がついてしまうと生活リズムは崩れてしまう」と問題意識を高めた妻が、ジーナ式を臨機応変に応用させて全力解決したのだが、そのプロセスを振り返ってまとめてみたい。

観察から推測「コリックではないか」

妻が「寝付いた息子が起きてしまう」という問題に向き合うため真っ先に取り組んだのが、事象が起きるタイミング、条件等を注意深く観察することだった。まるで研究をするように息子の様子を見続けた妻。そしてしばらく経ったある日、息子の身体を垂直に起こした状態にするとすぐ泣き止むこと身体を起こした状態で1時間ほど経てば再び寝かしても泣かないことを発見したのだ。
f:id:tnkdad:20190409232828p:plainこれはどういうことなのか。妻はネットを検索したが日本語では解決につながるような情報はあまり得られなかったそうだ。日本がダメなら海外だ!と、妻が見つけてきた海外の育児フォーラムの「コリックで毎晩起きてしまう」 というトピックだった。

コリックとは明確な定義はないらしいが、赤ちゃんが激しく大声で泣き続ける状態のこと。日本では「黄昏泣き」と言われる夕方の大泣きがよく知られている。妻は息子の状態と育児フォーラムにあった症状も、発生理由も当てはまるので「その可能性が高いと判断した。

「打ち手」検討 寝る前のミルクをやめた

コリックについて調べてみると発生原因として「腸内ガスの貯留」などによる消化器官の痛みが指摘されているようだ。胃がねじれる胃軸捻転との関係を指摘する情報もあった。寝る前に飲むミルクと関係しているんじゃないだろうか。そう考えた妻はさっそく以下のような仮説を立てた。

寝る前に時間を置かずに消化の悪いミルクを飲むので、生後2ヶ月で胃がまだ固定されていない状態では胃が踊ってしまう 。寝返りもできないので、踊った方向に胃軸が捻転し、 痛みが発生してギャン泣きする

仮説を立てたら、すぐに対応策の検討と検証に移った。妻が「打ち手」を考えるにあたり思い出したのは、妻がしばらく前に仕事の研修で受けた「効率的に解決するためにはまず自分でコントロールできる部分に絞って、リスクが少なく重要な原因から取り除いていく」という視点だったそうだ。

ジー式日程も臨機応変

今回のケースにおいて、自分がコントロールでき、リスクが少なく重要な原因は何が考えられるだろうか。妻は仮説に基づいて「寝るまで時間を置かずにミルクを飲ませる状況を解消してみよう」と考えた。寝る前にミルクを飲ませていたのは、ジーナ式で寝かしつけにミルクを用いる方法が説明されていたからだった。しかし大事なのは全体のリズムを崩さないために息子が泣く原因を取り除くことだ。仮説はあくまで仮説だったが、今回は観察と情報集めをして考えうる臨機応変な「打ち手」を実行したことで、寝付いたあとの夜泣きは見事にピタッと止まり、再現しなくなった。

ただ何でもきれいに解決できるわけでもないだろう。妻の解決を探る取り組みを見聞きして、しっかりリスク管理した上で「打ち手」は自分でコントロールできる範囲で考えていることがこの話の大事なポイントだと思っている。原因究明の努力や解決策を考えて決めることも手段であって、それ自体が目的ではない。目的は成長フェーズごとに息子も我々夫婦もより快適に過ごし、息子が自分で生きていける力をつけていくことに資源を投入できるようにすることだ。単純に解決策が見つかってよかった!という話ではなく、目的のために必要だと考えて、思考を止めずに息子をしっかり観察して、対応策を丁寧に検証していった妻のプロセスにこそ、夫として学ばされた気がする。

【まとめ】「わからない」で片付けなかった

息子が夜寝付いてもギャン泣きしながら起きてしまう問題に取り組んだ流れを改めてまとめてみる。

〇まず息子をよく観察して、症状の詳細をみて情報集め

〇「コリック」の可能性が高いと判断。寝る直前の授乳を避ける「打ち手」を検討

〇検証してみると夜泣きは止まった

よく「仮説-実行ー検証-仕組化」というメソッドを耳にするが、まさに妻はこれをやっていたように思う。赤ちゃんが泣くのは当たり前のことだが、妻は「赤ちゃんが泣くのはわけがわからないこと」で終わらせず「何らかの要因があるに違いない」という発想だった。それゆえよく観察して情報を調べるところから対処できたのだろう。妻曰く「『わからない』で片付けたら、解決のチャンスを失う」。夫からみても示唆に富む指摘だった。