妻曰く

プロジェクトマネージャーの妻による育児対応を巡る夫の記録

プロジェクト管理の視点が育児に生きた

 息子を授かり、我が家の「子育てプロジェクト」が始まったことで、プロジェクトマネジメントを仕事にしている妻の課題解決力という大きな発見をした。それがブログを立ち上げたことにつながっている。

ブログを始めて1週間。妻が仕事で身に着けたスキルを子育てに自然と応用している姿を通じて「プロジェクトマネジメントの視点は育児にも生かせる」と考えた内容を整理したい。

プロジェクトマネジメントって? 

そもそもプロジェクトマネジメントとは何か。妻に「どんな仕事なのかコンパクトに言うとしたら」と聞いたところ「プロジェクトの目標を達成できるように何をすべきか考えていくことかな」と返ってきた。計画をたて、調査などもしながら、期間やコストなどの条件の中でいろいろ対応を検討、検証していく。それがプロジェクトマネジメントだ。このサイト(プロジェクトマネジメント | IT用語辞典 | 大塚商会)などでは簡潔に紹介されている。

ここで気になるのはプロジェクトマネジメントにおける「プロジェクト」とは何かだ。なんとなく概念を理解しているようで理解していない気がして、これも妻に聞いてみた。妻曰く、一般的にマネジメントするのは「非定常の有期性業務」なのだという。いつまでに何をやるかが定まっていて、かつフォーマット化されていない業務をどう遂行するかを考えているということだ。 

育児は「非定常」でフェーズがある

妻曰く「子育ても非定常業務だと言える」。子どもの状況も刻々と変わるし、明日何が起きるかわからないし。親の働き方や周辺環境、保育などの状況も変数になる。月齢、年齢を重ねるごとに乳児期、幼児期といった発達のフェーズ、寝返りとか、おすわり、人見知り期といったマイルストーンがあり、それにあわせてコストや資材調達、関係する人とのコミュニケーションなど様々な要素に気を配って、日々考えながら進める。その意味で、妻が仕事としているプロジェクトマネジメントの対象と共通点があると言えるのだ。

妻によると「最初からプロジェクトマネジメントを子育てに当てはめようとの発想だったわけではない」そうだ。曰く「プロジェクトマネジメントの仕事をしていたから、子育てにもその考え方をそのまま活かせた」のだという。「プロジェクトマネジメントのフレームワークを応用しながら整理して課題を考え、必要なことを実現する流れができた。ゼロから『どうしよう』とならず、気持ちよく息子に接する手助けになった」とも話す。

育児はチームで取り組む仕事

育児にプロジェクトマネジメントの視点が生かせるのは、育児がチームプレーだからという視点もある。

妻が仕事で向き合っているプロジェクトは基本的にチームで課題に取り組む。そのためにどのようにチームを編成し、円滑に課題に取り組めるようにできるかなども考えているそうだ。

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よく考えれば子育ても同じだ。もちろん子育てする環境は家庭や地域によっても様々だが、それに応じた必要なチームを編成して共通の目標に向けて課題に取り組む。直接的に子どもの世話をすることに限らず、資金を調達して管理したり、家庭の外の資源をつかったりもする段取りも欠かせない。情報共有、連携プレーも大事だ。

我が家の「育児プロジェクト」では、妻がプロジェクトマネージメントの知見を生かして必要なことを可視化し、共有してくれていることがとても重要な役割を果たしている。新生児期には育児アプリやGoogleカレンダーでタイムスケジュールをつくり、居宅の保育サービスを使うようになってからは、どのタイミングで何が必要か、ミルクの量や食事の内容、息子のルーティンまで具体的にまとめたスケジュール表をつくってくれた。そのおかげで夫である自分も、保育サービスの方もその都度悩まずに離乳食をあげたり、息子を寝かせたりできる。

これはプロジェクトマネジメントでも重要なリスク管理とも言える。(あって欲しくはないが)例えば妻が病気になったりしたときなど非常時に、息子にとって継続的な環境で子育てを進めやすくなる。

【まとめ】「よりよい育児」を考える手段だ

 もう一度全体を整理してみたい。

育児はプロジェクト管理が対象とする「非定常の有期性業務」と言える

〇育児はチームプレー。その意味でもプロジェクト管理の知見は生かせる。

一般的にシステム構築などITプロジェクトは納期までに目的に達する成功率が4割程度なのだそうだ。何をやったらうまくいくかの知識体系であるプロジェクト管理の知見をいかすと成功率は7割くらいまであがるのだという。

子育ては目標が定量的にクリアではなく、正解というものもないことが多いのかもしれない。しかし、子どもが様々な発達の段階でひとつひとつ歩めるよう、その時々に必要な環境をつくるという意味で、ヒト・カネ・モノ・情報を「適切に管理」して課題解決することが大事なのは間違いない。そして今ある課題に対応するかだけではなく、ある程度の期間での目標設定をして行動することも育児は大事だ。妻曰く「無策は愚策に劣る」。我が家にとっても息子の育児は一大事業。妻の行動や言葉に触れながら、夫としてもその事業の一員としてマネジメントの視点に基づいて取り組む大切さを実感している。